chairoiinu’s diary

エッチな茶色い大型犬のブログ。

旅立ち

十六歳で私は遠くへ逃げた。 五歳で犯してきた父が売春に激昂し包丁を構えてきたので、手近なゴルフクラブを振り回し「クソジジイ!」と叫びながら抵抗した。傲慢と盲目の声で「なんなんだよ」と呻く父に「正当防衛だ」と叫ぶ声はもう少しで震えそうだった。…

幸せ、幸せ、幸せな街

朝起きたら客間の本棚が無くなっていた。両親が騒がしい。彼らの都合で本郷あたりに引っ越すのだという。いつも唐突でなんの知らせもない。寝ぼけ眼のまま髪を縛り帽子で隠して、ジーンズパンツとくすんだメンズのパーカーを着て、茶色の犬を置いてきぼりの…